日本では、従業員数50人以上の全ての事業場にストレスチェックの実施を義務付ける「労働安全衛生法の一部を改正する法律(通称:ストレスチェック義務化)」が2015年12月1日に施行された。世界各国では、スマートフォンのメンタル・ヘルス・アプリが数多く登場している。
PTSDコーチはアメリカ退役軍人省がPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩む人々のために開発したアプリで、トラウマを受けた後の症状を知り、ストレスなどに対処する方法を学ぶことができる。78カ国で10万回以上ダウンロードされているようだ。
TruReach Healthは、自己の言動のネガティブなパターンを認識し、それに対処する方法を学ぶことのできるというアプリ。アニメ動画のレッスンを無料で受けることができる。カナダのロイヤル・オタワ病院やオタワ周辺の大学でトライアルが行われている。
Moodnotesは、自分の気分(ムード)を記録(ノート)するアプリで、何が自身の気分に影響を与えているかを知り、健康的な思考を身につけられるようにしようというもの。CBT(認知行動療法)に基づいて開発されている。
Talkspaceは利用料(週に25ドル)を払うと登録されている300名以上の専門のセラピストにテキストメッセージで相談することができるアプリ。返事は数時間以内に届くという触れ込みだ。音声や映像でのやりとりも可能だが、リアルタイムではない。
Ellieは南カリフォルニア大学が開発したバーチャル・セラピストで、女性のアバターであるEllieが心理療法士としてセラピーを実施してくれるというもの。生身の人間に接するよりも、いわゆる世間体のようなものを感じる度合いが下がって、内面を吐露する上での不安が減じた人が多いという。
こうしたアプリが実際の対面式の治療に置き換わることはないだろうが、簡単に診療機関にアクセスできない人々や、訪問する決心のつかない人には役立つツールに違いない。今後、人工知能がさらなるバーチャル・セラピーの高度化に寄与してくることになると思われる。
https://wirelesswire.jp/2016/01/49556/
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