- ひばりクリニック、ペナンに分院 -

- 日本品質売りに医療観光も視野 -

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マレーシア・クアラルンプール(KL)の医療機関「ひばりクリニック」が、ペナン州分院を年内に開業する予定だ。同州初の日系医療機関となる。高水準の医療ときめ細やかなサービスを備えた「日本ブランド」をアピールし、日本人のみならず地元市民、そして近隣国からの医療観光客の取り込みも狙う。心療内科や婦人科など、近年ニーズの高まっている診療科目の導入も進めていく。

「ひばりクリニック・ペナン」は、ペナン州の中心部ジョージタウン、ショッピングモールのガーニーパラゴン近くに立地する。KLのモントキアラ本院と同じく、子どもから大人までを対象とする総合診療科を中心とし、医療知識のある通訳スタッフを介した日本語での診察も可能だが、ペナン分院では小児科・内科・心療内科・婦人科も設ける予定だ。マレーシア人の医師が常勤し、平日のほか土日祝日も診察を行う。現在は医院が入居する建物の改装作業が急ピッチで進めており、9月以降の早い段階での開業を目指している。同医院の売りは、KL本院と同じく、日本水準の医療サービスだ。高い技術を持つ医師を揃えることはもちろん、窓口や電話でのていねいな対応、成分や副作用などの詳細な情報提供を伴う薬の処方などを行う。同クリニックの藤井達樹ダイレクターは、こうした日本では当然の医療サービスも、マレーシアで提供すれば「大きな差別化」になると強調する。ただ、医師の能力に大きなばらつきがあること、薬の規格や用量が日本と違うため処方に特別な配慮がいることなど、日本水準の実現には困難も多い。

- 医療観光も視野に -

ペナン分院では、医療観光の需要にも応える考えだ。ペナン州は「医療観光地」として人気を集めており、来訪した外国人患者数は、州政府の2014年統計では、約35万人に上っている。特にマラッカ海峡対岸のインドネシアからの患者が多く、日帰りでの来訪者も多いという。藤井ダイレクターは、開院当初は地元住民と在住日本人の取り込みを進めるものの、ペナンで医療業務を行うからには、「いずれは医療観光にも取り組む必要がある」と説明。日本ブランドが強みになるとみている。

NNA ASIA 8/1