三井物産は52日、米国最大手の透析事業会社ダビータ・ヘルスケア・パートナーズ(ダビータ社、米国コロラド州)、マレーシアの国営投資会社カザナ・ナショナルとともに、アジアでの透析事業に参入すると発表した。関連当局の許認可などの条件を満たした後、三井物産はダビータ社傘下でシンガポールのダビータ・ケア社の株式20%を取得する。
 

 tousekishitsu (2)

株式取得額は1億5,000万米ドル(約160億円)を見込む。ダビータ社は米国を中心に透析クリニック2,369カ所を展開しているが、アジア市場には本格参入していない。アジア新興国では、人口増加と糖尿病などの生活習慣病のまん延で、透析治療を必要とする患者が増える中、透析クリニックが大幅に不足。医療保険制度の充実や所得水準の上昇で治療のニーズは急激に高まっているという。

 

三井物産によると、ダビータ社は米国最大の公的保険CMSが実施する全米透析クリニックの5段階評価で4以上の評価を獲得した施設の割合が2倍であるなど、高品質な透析医療を展開している。

 

三井物産は2011年にカザナからの一部持ち分取得したマレーシアの病院大手IHHヘルスケアに参画するほか、アジア・オセアニア地域の医療従事者約200万人に医薬情報を提供するMIMSグループを買収している。また、16年4月にはヘルスケア・サービス事業本部を新設した。透析事業についてもIHHやMIMSと連携して展開する。